2007年08月02日

第12回(1995年3月号)

 親愛なるBJ読者諸姉諸兄、今月はいよいよこの1年の総まとめということになります。今までのレッスンをふまえて、毎日の練習(デイリー・エクササイズ)の組み立て方などについて考えてみようと思います。

 毎日の練習の理想的と思われる流れをまず示しておきましょう(ABCは順不同)。


@ウォームアップ

A基礎練習

B曲の練習

C合奏・分奏等

Dクールダウン



 @はスポーツに当てはめて考えるとよく分かってもらえると思いますが、読んで字のごとく、トロンボーンを演奏できるようになるための準備運動にあたります。準備運動なしで100mを全力で走ることなどできませんよね。

 Aでは、教本を用いたりしながら、自分のさまざまな演奏能力を高めるような練習、弱点を克服するような練習、さらにはフレーズの取り方や、メロディの歌い方等の音楽性に関する練習を行います。

 BCの部分はみなさんイヤというほど(?)練習していると思いますので、ここではあえて取り上げません。逆にいうと、僕がこのぺ一ジで1年かけて書いてきたことは、いかに@ADの練習を充実させるかということに集約することができると思います。

 Dでは、例えば陸上スポーツをやった後で、軽くジョギングや、体操をしてから終わるのと同じで、さまざまな筋肉を使ったあとで、筋肉が緊張したままでやめてしまうと、翌日、筋肉痛になったり、疲れやバテが残ったりということになりかねないので、それを防止する意味で、軽くリラックスするような練習を行います。

 さて、次に示すのは、@ADにおける練習のメニューです。それぞれの囲み(メニュー)の中から必要なものを選んで練習していきます。特に★のついた項目は、毎日欠かさずに行ってほしい事柄です。他は時間がない時は、適当にカットしてもよいと思いますが、後日必ず取り上げるようにしてください。


メニュー@ 【ウォームアップ】
・マウスピースによるバズィング★
・ロングトーン(mf)★
・リップスラー(ゆっくり)★
・タンギング(ゆっ<り)★



 @のウォームアップと、Aの基礎練習は、内容的に似たことが多いのでよく混同してしまいますが、準備運動と基礎練習では目的が全く違います。これからはきちんと分けてやりましょう。ウォームアップはあくまでも、唇や体が温まって調子が上がりきる手前で止めること。そして、しばし休憩……。


メニューA 【基礎練習】
・リップスラー(速いパターンや、いろいろなバリエーションで)★
・タンギング(細かいリズムやテヌート、スタッカート等で)★
・スケール(全調)★
・アルペッジョ
・インターバル
・アーティキュレーション
・リズム練習
・さまざまな練習曲(エチュード)
・ロングトーン(クレッシェンド〜ディミヌエンド)
・ロングトーン(pp)
・スライディング



 上に挙げたメニューは、いちいちそれ専用の曲を探してきて練習するというのではなく、練習の目標として考えてください。それはどういうことかというと、同じ練習曲をさらうにしても、リズムに意識を集中すればリズム練習になるし、タンギングに意識を集中すればタンギングの練習になり得るわけです。要は、ただやみくもに練習するのではなく、目的をはっきりもった練習、密度の濃い練習をどれだけたくさんできるかが上達へのポイント、ということができるでしょう。


メニューD 【クールダウン】
・ロウトーン〜ペダルトーンのppでのロングトーン★
・ペダルトーンへのアルペッジョ★
・リップスラー(ゆっくり)


 さて、メニューDでは、一日の練習の後、楽器のケースに手をかける前にもうひと頑張り。明日のためにコンディションを整えてから終わる習慣を身につけましょう。

 ペダルトーンとは、オルガンのペダルで出すような低い音ということからきた言葉で、へ音記号の下第3間のB♭から下の音域をさします。この音域では、唇がブルブルと大きな震動をするので、ちょうどマッサージをするような感じになり、リラックスをするのに最適です。はじめは難しいかもしれませんが、練習用の楽譜を書いておきますので、毎日少しずつ低い方へ挑戦してみてください。コツは唇を緩めすぎないこと、口の中の容積を大きめに、そして息の流れはppといえども、ゆったりとした多めの息で、優しく吹く感じです。

 全体を通しての注意点は、上手に休みを取ることです(あくまでも、たくさん練習する人が基準ですよ!)。バテて音が出なくなるまで練習を続けて1時間休憩を取るよりも、バテを感じる前に5分の休みを取るほうが効果的です。ぜひ実行してみてください。

 最後に、僕が日頃心がけていることをお話ししておきましょう。それは、ウォームアップは、全く楽器を吹けなかった時から昨日までの過去の自分を駆け足でたどるようなつもりで、基礎練習は未来の自分に対しての貯金のつもりで、そしてクールダウンは明日の自分に対しての投資だと思っています。何しろ、1日練習したからといっても、結果はすぐ出ませんから、長い目で見た心構えが必要だと思います。

 さて、来月号はいよいよ最後のレッスンとなります(ワーイ、やっと締め切りから解放されるゾ!)。僕の趣味のお話をしようと思っていますので、お楽しみに。

 ではまた来月号でお会いしましょう。さようなら。
posted by こが@管理人 at 01:00| Comment(0) | ◆WEB復刻版ワンポイントレッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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