2007年08月03日

第11回(1995年2月号)

 BJ読者のみなさん、先月号の音階練習はうまくいってますか?

 さて今月は、先月号で予告したように「わが家の本棚から」というテーマでお話ししようと思います。何のことかというと、何のことはない、うちの本棚にある教則本の中から、みなさんのお役に立ちそうなものを選んで紹介してしまおうということです。しかし、ここに紹介できないものの中にも素晴らしい教則本はたくさんありますので、楽器屋さんに行く機会があったら、ぜひ自分の目でも探してみてくださいね。

@THE REMINGTON WARM-UP STUDIES/D.HUNSBERGER (ACCURAMUSIC,INC.)[初級〜上級]

まずトップ・バッターは、このぺ一ジでも何度か紹介した“レミントン”です。その独特なリップスラーのパターンで有名ですが、リップスラー以外の内容も、非常に充実しています。僕は、ウォームアップや基礎練習の時と、自分の力が向上しているのか、下手になっているのか(?)を計るための物差しにしています。これは超オススメですよ。



ALANGEY-CARL FISCHER TUTOR FOR TROMBONE(CARL FISCHER,INC)[初級〜上級](※注)

何でもアリのデパートのようにバラエティに富んだ内容のこの本は、ソロやデュエットの曲まで載っています。まず1stポジションから徐々にはじまり、各調ごとにスケールとアルペッジョ練習が載っているかと思えば、我々もよく知っているようなフォスターのメロディなども載っていて、フレージングや、メロディの歌いまわしの勉強に一役買います。これ1冊ですべてをまかなおうという向きには、いいですよ、コレ。

(※注:現在CARL FISCHER版は入手困難のようです。BOOSEY & HAWKESから新装刊されたものがオススメです。記事はこちらへ



BMELODIOUS ETUDES FOR TROMBONE/J.ROCHUT(CARL FISCHER,INC.)[中級〜上級]

3巻から成るこれらのエチュードはM.BORDOGNIという人の作曲した声楽のための練習曲を、トロンボーンで演奏できるように編曲したものです。テクニックというよりは、本の名前が示すとおり、フレーズのとりかた、アーティキュレーション、歌い方、レガートのかけかた等、音楽性にポイントをおいた練習曲集で、きれいなメロディが多いので楽しみながら練習できると思います。



CDAILY DRILLS AND TECHNICAL STUDIES FOR TROMBONE/MAX SCHLOSSBERG(M.BARON COMPANY)[初級〜上級]

あるインタビュー記事で、C.リンドバーグ氏(世界的なトロンボーンのソリスト)がこの本を使って基礎を学んだと述べていたのを人づてにきいて、すかさず買ってきました(僕もけっこうミーハーなんですね)。マウスピースによるバズィングにはじまり、ロングトーン、跳躍、アルペッジョ、スケール、エチュードに分かれていますが、かなり難しい練習曲も合まれていて、順番に仕上げようと思うと挫折してしまいます。自分の力量に合ったところから攻めていくのが、この本における、正しいさらい方でしょう。



DEXERCICES SUR DEUX OCTAVES (EXERCISES OVER TW0 0CTAVES)/GILLES MILLIERE(ALPHONSE LEDUC)[初級〜中級]

パリ・トロンボーン四重奏団のメンバーとして有名なミリエール氏は教育者としても大変優れた人で、ほかにレッスン・ビデオも発売されています。この本は、その名が示すとおり、下のFから上のFまでの2オクターブの中で作曲されたエチュードで、トロンボーンをはじめたぱかりの人でも、無理なく練習することが可能でしょう。短めの一曲一曲それぞれ何を狙って作曲してあるのかを考えて練習することが、この本を活用するポイントです。



Eプロ・プレイヤーの演奏技法/フィリップ・ファーカス(全音楽譜出版杜)[中級〜]

教則本ではありませんが、あえて取り上げたいと思います。“プロ”と題名に付くためか、なかなか本屋で、目に止まらないようですが、ぜひ一度は読んでもらいたい素晴らしい本です。内容は、決してプロのためのものではなく(原題はTHE ART OF MUSICIANSHIP)、フレージング、ダイナミックス、リズム、表情記号などの実践的な演奏の方法、ステージ恐怖症防止法といった役に立つ文章でいっぱいです。もしもみなさんのバンドの全員がこの本の内容を完全に理解できたとすると(まあそんなことはあり得ないことですけど)、バンドのレベルは、間違いなく飛躍的にアップするでしょう。



FMETHOD FOR TROMBONE/ERNEST CLARKE (CARL FISCHER,INC.)[初級〜]

先月号で軽く触れましたが、もう少し詳しく紹介しましょう。英語で書いてあるので読むのに手間がかかりますが、これも1stポジションから徐々にはじまって、タイやリズムのカウントの仕方、シンコペーションの吹き方、拍子のカウントの仕方など、楽典の基礎的な事柄をからめて全調スケールヘと進んでいけるようになっているため、はじめて楽器を手にする人には特に役に立つことでしょう。ただし、アーティキュレーションや、スタッカート、テヌート、特にダイナミックスに関しての記載が不足しているので、注意が必要です。ある程度吹けるようになってきたら、他の教則本も併用するとよいと思います。


 いかがだったでしょうか。上記のほかにも

♪WARM-UPS+TECHNICAL ROUTINES/BRANIMIR SLOKAR(EDITIONS BIM)
♪DIE POSAUNE/ALOIS BAMBULA(VEB FRIEDRICH HOFMEISTER)



等々たくさんあるのですが、このへんにしておきましょう。

 教則本を練習するときの注意点は、自分の吹きやすいものに偏らずに、なるべくいろんなことが練習できるようにすること。ブレスが細切れになるクセがつかないように、深く息を吸って長いフレーズをつくるように心がけること。できるだけ止まらずに、ゆっくりと練習すること。うまくいったら次に、テンポの指定があればそのテンポ、なければ最初よりも速めのテンポにして、反復練習。何の練習をしているのか、常に目的をはっきりともって練習をしよう。エチュードをさらうときの極意は「目的意識と反復練習」これしかないと思いますヨ。

 さて、いよいよ来月はこの1年間のまとめとデイリー・エクササイズということで、お話ししてみたいと思いますので、お楽しみに。

 では、また来月号で。さようなら。
posted by こが@管理人 at 01:00| Comment(0) | ◆WEB復刻版ワンポイントレッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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