2007年08月08日

第6回(1994年9月号)

 BJ読者のみなさん、お元気ですか?このところ、東京のトロンボーン界は演奏会、クリニックとまれに見る盛り上がりを見せています。みなさんも、雑誌の記事や、トロンボーン協会の会報などで、いろんな情報に触れてみてください。

 さて今月は、ちょっと話を変えて、楽器の選び方についてお話ししたいと思います(予告とちょっと違うけど、カンベンしてね)。トロンボーンは金管楽器の中では比較的安価な方ですが、簡単に買えるような値段ではないので、じっくりと時間をかけて長くつきあえるいい物を選びたいですね。

 楽器を選ぶと一口にいっても、実はこれが奥が深くて難しいのです。同じ楽器でも、マウスピースが変わると全く別の楽器のような感触になりますし、マウスピースが同じでも、楽器を変えてみると違うマウスピースで吹いているように錯覚することがあります。しかもその上に、自分の調子のよし悪しで、楽器やマッピの評価が変わってきます。しかし、いずれにしても、実際に自分自身で試奏してから決めるということが、楽器選びの鉄則だといえると思います。

 さて、ここでトロンボーン歴6か月のA君と、トロンボーン歴2年のBさんをモデルにして、楽器購入までのプロセスを考えてみましよう。

 吹奏楽部に入部したてのA君は、学校にあった古い楽器とマウスピースで、毎日練習に励んでいたのですが、メッキのはげたマウスピースの感触がどうにもイヤで、またトロンボーンもヘコミとサビだらけで、どう見てもいい音がしそうには見えません。かろうじてスライドだけはなんとか動きます。できれば自分だけの楽器がほしいのですが、両親のお許しが得られません。さあA君はどうしたらよいのでしよう。

 楽器を吹いてまだ日が浅く、まだまだ十分に楽器を鳴らすことができていないようですね。このような場合は、まずマウスピースだけ購入して、うまくなったら、もう一度両親に相談してみるというのがいいと思います。マウスピースだけならお年玉や、小遣いを貯めても手が届きますよね。そしてできれば一度、学校の楽器を楽器店の人にみてもらい、ヘコミを直し、管の中をクリーニングするだけでも見違えるようになりますよ。お試しあれ。

 さて、Bさんの場合はどうでしょうか。

 トロンボーンをはじめて2年とちょっとのBさんは、努力のかいあって最近はもっぱらトップを吹いています。楽器をよく鳴らせるようになってきたみたいで、なんとなく今の楽器では物足りなさを感じています。そして、もっと輝かしい音でセクションをリードしたいなあと思っています。さてBさんはどうしたらよいのでしょう。

 これはもう完壁です。楽器をグレードアップした方がいいでしょう。学校で買ってもらうか、両親に相談して買うのかは、それぞれで考えてもらうことにしますが、自分の力に合った楽器を見つけた方が、よりいい音で、また楽しく演奏できると思いますよ。

 楽器をほしいと思うきっかけは、人それぞれだと思いますが、楽器は人間のつくり出した素晴らしい芸術品です。友達が買ったからとか、カッコいいからというだけでなく、自分に合った、そしていい音楽ができそうな物を見つけてください。

 おしまいの方にマウスピースとトロンボーンの選び方のポイントを挙げておきますので、参考にしてください。必ず、その時に使っている楽器やマウスピースを持参して、できればトロンボーンの仲間にも付き合ってもらって、吹き比べてきいてもらうと、より確実だと思います。

 もし予算に余裕があれば、プロのプレイヤーに選定してもらうのもいいでしょう。楽器店に相談してみてください。

 それから、予算があまりない人は、程度のいい中古を探してみるのも手ですよ。

 いかがでしたか?来月からは、いよいよ実践的なレッスンに入ります。「古賀さんのレッスンは難しい」という声もちらほらきかれますが、これからもなるべく突っ込んだ内容にしていきたいと思っていますので、みなさんもメゲずによーく読んでくださいね。

 そして楽器選びのことはもちろん、レッスンの進行具合に関わらず、いろんな疑間、質問などBJ編集部の方まで送ってくださいね。可能な限り、このぺージに載せるとか直接返事を出すという形でお答えしていきたいと思います。

 それでは、また来月お会いしましょう。



【マウスピース選ぴのポイント】

♪前もってカタログを手にいれて、いま使っているマッピのサイズ(カップの内径)、他のメーカーの同じくらいのサイズのモデルナンバーを調べておく。

♪同じくらいの大きさのモデルからその前後のモデルまで、実際に楽器につけて音を出してみる。

♪いろんな音を出してみて、抵抗感や鳴りムラが少なく、自然に息が入ってゆくものがGood。

♪唇に当てた感触がよくて、内側がていねいに削ってあるものがGood。



【トロンボーン選びのボイント】

♪こちらもカタログを手に入れておいて、先輩、楽器店の人等の話から、ある程度、ブランドぐらいは絞り込んでおく。

♪黄色のベルは明るく輝かしい音、ゴールドや赤いベルは、暗めで柔らかい音。

♪テナーやテナーバスの太管は音量に自信のある人向き。

♪1ポジションずつ、上から下まで吹いてみて、鳴りムラや、音程の狂いの少ないものがGood。

♪テナーバスやバスを選ぶ人は、レバーの動き具合や、レバーを押したときの音抜けにも注意。

♪スライドの部分だけを持って、両方の口を親指でしっかりふさぎ、先を床につけて内管だけを持ち上げてみて外管がストンと落ちるようだと気密性に問題アリ。じんわり落ちるならOK。

♪スライドを水平にして動かしてみて、引っかかりのないものがGood。特に7ポジション付近に注意。

♪同じモデルを比べるなら、より楽に息が入って、響きの豊かなものを。

♪外観をチェック。ハンダの外れや大きなヘコミのないものがGood。


posted by こが@管理人 at 01:00| Comment(5) | ◆WEB復刻版ワンポイントレッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
読みやすくなって感激です!
娘にも読ませます!!

Bさんの場合の最後の文章が、
「楽器店に柵談してみてください。」となっています。『相談』ですね。
Posted by いちづか at 2006年06月04日 20:02
早速のご指摘ありがとうございます。直しました。お嬢さんこんな文章で大丈夫ですか??ちょっと心配(^^;)
Posted by こが@管理人 at 2006年06月04日 22:59
むすめは一向に親からは楽器を習おうとしないので、古賀さんのこの文章と、いまBJに連載中の井口さんのレッスンを参考にさせようと思っています(^^)
Posted by いちづか at 2006年06月05日 13:00
初めまして。
投稿が数年前なのでどうかな?と思いましたがコメントさせて頂きます。
現在中2の娘が吹奏楽部でトロンボーンを吹いています。トロンボーン歴は1年です。

本人は音楽科かコンクールで全国に行っているような学校へ受験を希望しています。
コンクールと受験も視野に入れそろそろ楽器を買おうと顧問の先生に相談したところ、YAMAHAのYSL882Oを勧められました。メンテナンスに来られる楽器屋さんが特約店のようです。

現在学校とは別に楽器店で個人レッスンも受けています。
その楽器店は色んなメーカーさんを取り扱われてます。
個人レッスンの先生は色んなメーカーの楽器を何本も試奏して選ぶのが将来的(音楽科の受験?)にもいいとおっしゃってました。
娘も私もトロンボーンに関わってまだ1年と日が浅いのでどうすればいいのか迷ってきました。
ちなみに今学校で使用している楽器はBachですが見ていて楽器がかわいそうになるぐらいのボロボロです。

こが様ならどうされますか?
こちらのブログは娘と一緒に拝見させて頂きました。
ご意見を伺えれば嬉しいです。
Posted by Oさん at 2014年04月17日 00:47
>Oさんさま

投稿いただきありがとうございます。お返事遅くなりすみませんでした。何かありましたらまた投稿ください。

楽器選びのことですが、音楽の専攻科へ進学される希望をお持ちなら、個人レッスンの先生に相談されるのが良いと思います。YAMAHAの882Oも良い楽器なのですが、長い目で考えるともう少し慎重に、試奏をされてから、ある程度楽器の目利きができるようになってから決められた方が良いのではと思います。それで882Oを選ばれたら、楽器とはより強い信頼関係ができると思います。
Posted by 古賀慎治 at 2014年11月25日 23:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。