2007年08月12日

第2回(1994年5月号)

 BJ読者のみなさん、こんにちは。悪夢のような、あのお粥の日々ともおさらばして、やっと心おきなくコーヒーを飲めるようになりました。あーやれやれ。

 さて、いよいよ今月から本題に入ります。今月のテーマは、4月号で予告したとおり「とりあえず、音を出してみよう」ということで、主にマウスピース(=マッピ)で、音を出すまでを考えてみようと思います。まあ肩の力を抜いて、気長にいきましょう、気長にね。

 まずは親指と人差し指(重かったら中指も)でマウスピースのカップのつけ根あたりを軽く持ちます。そして、それを唇にあてて軽く息を吹き込んでみてください。たぶんフーッといった息の音しかしないでしょう。

 次に、上下の唇をわりと強めに合わせて強く息を吹き込んでみてください。今度はビーッとかブーッという音が出たのではないかと思います。我々が探しているいい音のポイントは、このフーッという何も振動していないリラックスした唇の状態と、ピーッとかプーッというつまったような音がする緊張した唇の状態の間のどこかに隠れているということをよく覚えておきましょう。

 そして、唇にあてるときはなるべく軽くあてるようにしてください。といっても、息がもれない程度の軽い圧力で唇にあてるということです。

 次にマウスピースをあてる位置ですが図@のように、左右に関しては真ん中、そして上下に関しては、〈上:下=1:1〉から、〈上:下=2:1〉の範囲内であれば自分のいちばん吹きやすい位置でいいと思います。ただし、左右の真ん中といっても、歯並びによっては、真ん中ではうまくいかないこともあります(実は僕も前歯がセンターにきてないので、マッピは少し右にずれてしまってます。上下はほぼ上1:下1です)。
05-zu1.jpg


 さらに、顔に対するマッピの角度ですが、これは歯並びや、上の歯と下の歯の前後関係で限定されてしまいます。大切なのは、※上下に等しく圧力をかけるということです。

 さて、次にアンブシュアについて述べてみたいと思います。アンブシュアとは、楽器を吹くための唇とその周りの筋肉の特別な形のことをいいます。その役割は、


(1)ベルから出てくる音のもととなる空気の振動をつくること
(2)さまざまな音程を自在につくること
(3)ppp からfff まで、高い音でも低い音でも理想に近い形のアパチュアを維持すること


 ということができると思います。理想に近い形のアパチュアとは、上唇と下唇の間の空気の通り道の形が、ちょうどオーボエのリードの断面図のようになっているものです。

 このアパチュアが平べったいと、薄っぺらい音になったり「ザーザー」とか「ジージー」といった雑音が混ざりやすくなります。また、上下に開きすぎていると、音の焦点がぼけたりぶら下がった音になりやすいという欠点があります。

 pp の時のようにわずかな空気の圧力のときは、さほど筋肉の力は要らないのですが、ff の時のように非常に強い圧力の空気に耐えてアパチュアの形を維持するのには、相当鍛えられたアンブシュアのカが必要になります。

 図Aにアンブシュアのポイントを示しておくので、よく見てください。唇が中心に向かってすぼまろうとするカと、その周りの筋肉が外へ引っ張ろうとする力がちょうど綱引きのように引っ張り合ってアパチュアを形づくっているのがわかると思います。すぼめるだけでも、引っ張るだけでもダメですよ。
05-zu2.jpg
(クリックで拡大)

 では鏡を用意してマッピでバズィング(楽器を使わずに唇を振動させる)してみましょう譜例を挙げておきますので、早速トライしてみましょう。はじめはmf ぐらいで楽な音量から練習してみてください。そして必ずピアノかオルガンなどで音程を確かめながら練習しましょう。

 マッピを持っていない方の手でマッピの先を半分程度ふさいで抵抗を付けたほうが発音しやすいかもしれません。バズィング練習をする時は目、耳、唇等の感覚を総動員して練習するように心がけてください。
05-buzz.jpg
(クリックで拡大)


 これでひととおりの説明を終わりますが、わかってもらえたでしょうか。難しそうに思えますが、ひとつひとつコツコツとやっていけば、必ずマスターできます。とにかく大事な一歩ですから腰を据えてガンバりましょう。

 さてさて来月は、アンブシュアより何より大切な「good sound」の原材料である空気、ブレス・コントロールについてのお話。

 それにしても、決められた字数でまとめることと締め切りを守るのがこんなに難しいとは・・・・。大変なことをはじめちゃったなあ、という心境です。BJ読者諸姉諸兄、こんな僕に励ましの手紙でもください(モチロン質問0Kだよ)。よろしく!!






※補足などなど

上下の唇にかかる圧力のバランスは、ある程度音が出るようになってくれば、変わってくるものだと思います。ここで書いたのはあくまで初心者がスタートする時に同じ位の圧力で乗せましょうというと言うことで、上達してからも、ずっとそのままが理想的と言うわけではありません。
posted by こが@管理人 at 01:00| Comment(3) | ◆WEB復刻版ワンポイントレッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。高2でTbふいてます。中学からやってるのでもう楽器暦は5年近いのですが、この項で先生が書かれているような「じーっ」という音が結構盛大に、しかも全音域で出ます。最近出てきた症状なのか、今までずっと気づかずに吹いてたのか(だとしたらショックですが・・)わからないのですが、平べったいアンブシュアに慣れてしまっているのは確かなようです。多少時間をかけても直していきたいのですが、何かそのための練習法など、よければお教えください。よろしくお願いします。
Posted by ほり at 2006年11月27日 21:17
ほりさん、はじめまして。
全音域で「じーっ」と盛大に鳴ると言っても、まずどこに原因があるのか分からないと、何とも言いにくいことではあります。楽器のハンダが取れて共振している場合もあるかも知れないし、どこかから息漏れしているのかもしれないし。
と言うことが分からないので、一般的なアパチュア問題について書きますが、ppp位で中音のFから下の中低音域でのロングトーンが効果があると思われます。その時の音が「みゅー」とか「むー」と言う感じにならないように気をつけましょう。「ぽー」とか「ほー」という感じで息を入れるようにしてください。なるべくやさしく、柔らかい息を吹き込むようなイメージ、そして一本の糸のような空気の束を唇の一カ所から「ぽー」っという感じでやさしく吹き込みロングトーン。お試し下さいね。
Posted by こが@管理人 at 2006年11月28日 01:25
お返事いただきありがとうございます!もう一度どこに原因があるのか冷静に確認してみます。お教えいただいた練習もその上で実践してみたいと思います。
Posted by ほり at 2006年11月28日 18:56
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